レインウェアの基礎知識

レインウェアにとって必要な機能は、3つあります。

  • 1.防水性(耐水度)
  • 2.撥水性
  • 3.透湿性

防水性とは?

防水性とは、「雨水の侵入を防ぐ性質」のことを言います。レインウェアは、「生地」と「生地の継ぎ目」の防水機能を保たなければなりません。そのため、縫製加工のレインウェアの場合、ナイロンまたはポリエステルタフタの裏側に防水材(PVC、ポリウレタン等)をコーティングした「生地」を使用し、「生地の継ぎ目」には、裏から縫製部に沿ってシームテープを貼り防水処理を施します。ウェルダー加工のレインウェアの場合は、防水性を持つ素材(PVC、EVA等)を「生地」として使用し、「生地の継ぎ目」はウェルダー加工を施すことで防水機能を保っています。

※耐水度(耐水圧)とは?
耐水度(耐水圧)とは、生地自体が水の浸入をどの程度防げるかを数値化したものです。ある検査機関によれば、雨の水圧はそれほど高くなく、耐水度で言えば、500mmから1,000mmあれば十分だと言われています。しかし、体重75kgの人が濡れた場所に座ると、およそ2,000mmの圧力がかかります。またそこにひざまずくとおよそ11,000mmの圧力がかかります。野外活動をする場合のレインウェアの耐水度としては、10,000mm以上の商品をお勧めします。

撥水性とは?

撥水性とは、「水をはじく性質」のことを言います。撥水性が強い生地に水滴がつくと付着した水分が水玉状(粒状)になり、水滴は生地の表面を転がるように落ちていきます。
撥水性が落ちてしまうと乾くまでの時間が遅くなり、生地の表面に汚れが付着しやすくなります。また、透湿素材の商品は、生地の表面を水で覆ってしまうことで透湿機能が低下することがあります。そのような場合は、撥水スプレー等でお手入れすることで、商品の機能を損なわずご使用いただくことができます。

透湿性とは?

透湿性(単位:g/㎡・24h )とは、「湿気を透過させる性質」のことを言います。人の体は、常に大量の水分を放出しています。そのため、全身を覆うレインウェアを長時間にわたって着用していると、発汗による水蒸気でびしょ濡れになってしまうこともあります。雨の内側への浸入を防ぎ、汗によるムレや熱を放出する透湿性生地を使用したレインウェアを着用すれば、ベタつきやムレを感じにくくすることができます。

保管・お手入れ方法

  • 着用後は濡れたまま放置せずに、水分・汚れを拭き取ってから、直射日光を避けて陰干ししてください。
  • 洗濯機・乾燥機の使用や、ドライクリーニングは避けてください。
  • 汚れを落とす場合は、ぬるま湯で手洗いしてください。洗剤を使用する場合は中性洗剤をご使用ください。
  • 高温多湿の場所には、保管しないでください。
  • 風通しのよい冷暗所にハンガーで吊るしておくか、よく乾燥させたあと軽く畳んで保管してください。
  • 洗濯や着用により撥水機能が低下した場合は、市販の撥水スプレー等をご使用ください。

よくあるご質問

ウェルダー加工(高周波ウェルダー加工)とは?
高周波ウェルダーという機器を用いた熱処理加工のことです。ポリ塩化ビニール等のもつ誘電喪失という特徴を利用した誘電加熱により、樹脂を内部から溶かして、金型で挟み込んだ部分だけを均一に接着します。生地の継ぎ目を、縫い目なく溶着された状態に加工することにより、高い防水性を保つことができます。
レインウェア着用中に雨水が漏れてきた原因は?
生地に傷がある、縫い目裏側のシームテープの接着が不十分である等、レインウェアの生地や防水テープに原因がある場合が考えられます。ただし、実際には雨水が漏れてきていないのに、そう感じてしまう場合もあります。最も多い現象は、着用中に体から発生した汗が、レインウェアの内側で結露してびしょ濡れになってしまう状態です。結露をできるだけ防ぐには、「透湿性生地」を使用したレインウェアを着用することをおすすめします。
レインウェアへ印刷することは可能ですか?
シルク印刷や転写プリント等の方法で印刷することが可能です。お気軽にご相談下さい。
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